
花粉症の季節は本当につらいですよね。
そんな花粉症に昼の間ずっと悩まされたんだから、夜ぐらい、ぱーっと飲んですっきりしたい気持ちはとってもよく分かります。
でもビールとかお酒とか、アルコールを摂取すると花粉症が悪化するという話もよく聞きます。
この記事では花粉症とアルコールの関係、花粉症に優しいアルコールとの付き合い方についてお伝えします。
お酒好きのあなた、ぜひ参考にしてくださいね。
そもそも花粉症はなぜ発生する?
アルコールによる影響にも関係するので、まずは花粉症について簡単におさらいしておきます。
よく知られているように、花粉症は人間の体内に異物(スギなどの植物の花粉)が侵入することで体内に抗体が作られ免疫機能が過剰に反応して起きます。
その際に分泌されるヒスタミンなどの化学物質が異物である花粉を体外に排出しようとして、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、涙などの症状を引き起こします。
日本では、戦後に盛んに植林されたスギが成長し、2月~4月に大量の花粉を放出し飛散するようになってスギ花粉症が社会問題になってきました。
スギ以外にもヒノキ(4月~5月)、イネ(6月~8月)、ブタクサ、ヨモギ(8月~10月)などが知られています。
アルコールが花粉症に影響する原因と症状
アルコールの花粉症への影響は、以下のようなものがあります。
結論から言いますと、花粉症の人がアルコールを摂取することは、あまりお勧めできません。
花粉症の症状があるときは、お酒の誘いを断る、あるいは飲み過ぎないように注意します。
ヒスタミンを増やす
上で書きましたように花粉症の症状を直接引き起こすのはヒスタミンです。
一方、ビール、お酒などのアルコールは肝臓で分解され、二日酔いを引き起こすことで有名なアセトアルデヒドになりますが、このアセトアルデヒドがヒスタミンを増加させてしまいます。
というのも、アセトアルデヒドは末梢神経系を刺激してしまうので、ここで免疫機能がはたらいてヒスタミンが分泌されてしまうのです。
その結果、アルコールを摂取すると、くしゃみや鼻水、涙など花粉症の症状が強くなってしまうのです。
血管が拡張する
アルコールは血管を拡張させる作用があります。
そのために血流が増え目が充血してきます。鼻の粘膜も腫れて、くしゃみを起こしたり、また空気の通り道が狭くなるため鼻づまりを起こします。
鼻や喉(のど)の粘膜を乾燥させる
よく知られているように、アルコールには利尿作用もあります。
この利尿作用により、飲んだ以上の水分が身体から奪われてしまいます。
この影響で鼻や喉(のど)の粘膜が乾燥し、花粉の侵入を防ぐ機能が低下して花粉症の症状が強まります。
同時に、鼻の粘膜が乾燥することで鼻水も乾燥して鼻づまりが進みます。
喉の粘膜が乾燥すると痛みを感じることもあります。
免疫力を低下させる
花粉症のもともとの原因が免疫機能の過剰反応とはいえ、免疫力を低下させてしまうと症状の悪化に繋がります。飲酒が免疫力を低下させる要因となることもあります。
- 酒の“おつまみ”には高脂質の食べ物が多く、食べ過ぎると免疫力を低下させる
- 冷えたビールなどは身体が冷えて血流が悪くなり免疫力を低下させる
花粉症に悪影響の無いお酒は?
ここまで述べてきましたように、花粉症の症状が出ている人が飲酒することは基本的にお薦めしません。
また、いろいろと調べてみると、抗アレルギー作用のあるタマネギを焼酎に浸け込んだタマネギ酒、免疫機能を調整するマイタケを使ったマイタケ酒などは見つかりますが、普通にお酒として飲む一般的なお酒はなかなかありません。
唯一、可能性があるとすればワインです。
ワインにはアレルギー反応を抑制する効果のあるポリフェノールが含まれ、とくに赤ワインはポリフェノールが多いです。
どうしても飲みたいという人は以下の点に気をつけます。
- 身体を冷やさないよう温めて飲む
- 利尿作用で鼻や喉(のど)の粘膜を乾燥させてしまわないよう、こまめに水分補給を行い、体内の水分不足を防ぐ。
- “おつまみ”は鍋など温かいものにする。ニンニクやショウガ、ネギなど、身体を温めるものを入れる。
いずれにしても、いくらポリフェノール豊富な赤ワインとはいえ、アルコールによる花粉症への悪影響は避けられませんので、大量に飲みすぎないようにします。
また、ワインを飲むことにより花粉症の症状が緩和したり良くなるわけではありませんので、基本的には花粉症の人は飲酒しないことをお薦めします。
花粉症の薬を飲んだらお酒は飲まないほうがいい?
花粉が飛散する季節には花粉症の薬を服用するという人も多いでしょう。
そんなときでも付き合いのお酒を誘われることがあると思います。
花粉症だけで他に体調が悪いというわけでなければ誘われるまま飲みに行きたくなってしまいます。
しかし、薬を服用してるのに、お酒を飲んだら花粉症の症状が出た、症状が悪化したという経験はありませんか?
花粉症の薬を服用している時でも飲酒して問題ないのでしょうか?
結論から言いますと、あまりよくありません。
どうしてもお酒を飲みたければ薬の服用の前後、数時間あけるようにしましょう。
花粉症薬の服用中の飲酒がよくない理由
花粉症の薬の服用中に飲酒をするとよくない理由は次の通りです。
- 花粉症の薬はヒスタミンを抑える抗ヒスタミン薬だが、飲酒によって平常な状態よりヒスタミンが増えてしまうため、薬の効果が弱まってしまう可能性がある。
- 花粉症の薬に限らず一般的に薬は肝臓で分解され、アルコールを分解するのも肝臓なので、飲酒によって肝臓の負担が大きくなってしまう
- 花粉症の薬はアルコールに溶けやすい成分が含まれていることもあり、その場合は飲酒によって薬の効果や効果の表れる時間、効果が持続する時間などが、もともと想定されているものとは異なってしまう恐れがある
やはり花粉症の薬の服用中は飲酒を控えるのがよいですね。
それでもどうしても断れないお誘いなどもあると思います。
その時は薬の服用と飲酒は数時間(2時間程度)あけるようにしましょう。
注射と飲酒も良くない?
また花粉症で注射することもあると思いますが、服用する薬よりも一般的には注射の方が効き目が強い分、副作用が起きた時の影響が大きいことがあります。
例えば抗ヒスタミン薬であれば、眠気、集中力の低下、口の渇き、倦怠感などの副作用が知られてますが、飲酒によって、これらが強く出る可能性もあります。
やはり注射と飲酒も、十分に時間をあけた方がいいですね。
日常的な飲酒で花粉症などアレルギー体質は加速するか?
いろいろ調べてみましたが、これについては明確なことは分かりませんでした。
ただ、アルコールを分解する肝臓を十分に休ませることなく(休肝日を設けずに)日常的に飲酒していると少しずつ免疫機能が落ちてくるので、アレルギーに限らず身体に良くないのは明らかだと思われます。
アルコール以外で花粉症を悪化させるもの
花粉症の薬を服用し、外出時にはマスクや専用メガネでしっかり防備してるのに、なぜか症状がなくならない、あるいは悪化してしまうということはありませんか?
飲酒以外にも花粉症を悪化させてしまう習慣はあります。
下の内容をチェックしてみてください。
睡眠不足
睡眠が不足していると身体の免疫機能やホルモンのバランスが崩れやすくなります。
喫煙・受動喫煙
タバコは鼻の粘膜を直接刺激して浮腫みを引き起こし、鼻づまりを悪化させる原因になります。
またタバコの成分によってはアレルギー成分が産生されることがあります。
これらは喫煙者だけでなく、近くで煙を吸ってしまう受動喫煙でも同じことが起きやすいです。
ストレス
ストレスは自律神経や免疫機能のバランスを崩してしまいます。
自律神経の崩れは鼻水、鼻づまりに影響すると言われています。
運動不足
運動不足により体力が低下すると、免疫機能のバランスが崩れることがあります。
まとめ
アルコールは花粉症に良くない影響を与えます。
また花粉症の薬の服用中に飲酒することも悪い影響があります。
ですから花粉が飛散する時期は飲酒を控えるのが一番です。
しかし社会人であれば、どうしても飲酒を避けられないこともあります。
そんなときは、ご自分の症状の程度や薬の服用タイミングなどを見ながら上手に楽しんでくださいね。
なお花粉症に効くお茶や他の飲み物の関係については下の記事が参考になります。
また花粉症を悪化させる原因のひとつ睡眠不足やストレスの解消については下の記事を参考にしてください。