直葬の香典の金額 相場はどれくらい?いくら包むべき?

直葬とは、告別式やお通夜などを行わず、火葬だけを行う葬儀の方法で火葬式とも言います。

直葬は通夜や葬式を行わず、参列者も家族(遺族)や親族、親しい間柄の方のみというシンプルさが特徴となっています。

近年では家族葬の拡がりとともに、この直葬が選ばれるケースも増え、一般に浸透してきています。

直葬に参列する際に迷わない為にも、香典の金額の相場を知っておきましょう。

香典袋の書き方についても、ご紹介いたします。

直葬の香典はいくらが正しい?金額の相場まとめ!

直葬でも香典は必要か?

直葬は一般のお葬式に比べてかなり簡略化されているので「香典は不要では?」と思われる方もいるかも知れませんが、そのあたりは一般のお葬式と変わるところはありません。

香典辞退の連絡が無い限り、香典は必要と考えたほうがよいです。

直葬の香典の金額相場

金額についても一般のお葬式と同様に考えた方がよいです。

直葬ということで、少なめの金額にする人もいますが、多くの人は通常のお葬式と同じ感覚で香典を用意します。

恥をかくことのないよう気をつけましょう。

なお、香典の金額は自分と故人の間柄や地域によっても変わってきます。

基本は「気持ち」「心」ですが、親しい間柄になるにつれて香典の金額が高くなる傾向にあります。

ここでは、香典を渡す側の年齢別(世代別)に、それぞれ最多回答額と平均の金額をまとめました。

(出典:全日本冠婚葬祭互助協会:第5回 香典に関するアンケート調査報告書(平成28年度実施)
「—」は、該当するサンプルが得られなかったか、または僅少のため、集計していません。

【20代】

最多回答平均額
祖父母1万円9,386円
両親
兄弟姉妹1万円13,833円
おじ・おば1万円7,214円
孫など上記以外の親戚5千円6,617円
仕事・職場関係5千円4,177円
勤務先社員の家族3千円3,661円
取引先関係5千円7,571円
友人・その家族5千円5,130円
隣人・近所3千円5,118円
その他5千円4,135円

【30代】

最多回答平均額
祖父母1万円14,201円
両親5万円32,164円
兄弟姉妹3万円21,400円
おじ・おば1万円11,552円
孫など上記以外の親戚5千円7,462円
仕事・職場関係5千円5,541円
勤務先社員の家族5千円4,652円
取引先関係5千円5,615円
友人・その家族5千円5,162円
隣人・近所5千円4,443円
その他5千円5,250円

【40代】

最多回答平均額
祖父母1万円17,018円
5万円33,715円
兄弟姉妹3万円24,737円
おじ・おば1万円12,291円
孫など上記以外の親戚1万円8,926円
仕事・職場関係5千円4,984円
勤務先社員の家族5千円5,320円
取引先関係5千円6,933円
友人・その家族5千円5,533円
隣人・近所5千円4,139円
その他5千円4,282円

【50代】

最多回答平均額
祖父母1万円37,646円
両親10万円52,171円
兄弟姉妹5万円51,920円
おじ・おば1万円21,475円
孫など上記以外の親戚1万円13,298円
仕事・職場関係5千円5,648円
勤務先社員の家族5千円5,326円
取引先関係
友人・その家族5千円6,000円
隣人・近所5千円4,849円
その他5千円5,844円

【60代以降】

最多回答平均額
祖父母1万円21,667円
両親
兄弟姉妹5万円42,568円
おじ・おば1万円23,442円
孫など上記以外の親戚1万円17,285円
仕事・職場関係5千円5,525円
勤務先社員の家族5千円5,701円
取引先関係5千円6,865円
友人・その家族5千円6,353円
隣人・近所5千円5,047円
その他5千円8,677円

直葬は、故人の親しい間柄の方や家族だけで行う葬儀ですが、葬儀の連絡があった場合は、香典を持参するのが通例です。

地域などによって多少の差はありますが、香典を準備する際は、以上の金額を参考に考えてみてください。

しかし、「香典は不要」の連絡がある場合は、ご家族の負担にならない様、無理に お金を渡すわたすのはやめましょう。(最近は香典不要の直葬が増加しています)

 

香典に使うお札

香典は前もって準備するものではないため新札を利用するのはマナー違反と言われています。

香典では折り目のついたお札を使うようにします。

逆に、あまりにボロボロになったお札や使い古されたお札でもマナー違反になってしまいますので気をつけます。

 

香典袋の書き方

直葬の場合の香典袋の書き方ですが、基本的に一般の葬儀と変わりはありません。

しかし、宗教が「キリスト教プロテスタント」と「浄土真宗」の場合は注意が必要なので確認しておきましょう。

キリスト教プロテスタント

のし袋に水引き(※)は掛けず、「献花料」もしくは「お花料」と記しましょう。

※水引き・・・贈答品の包み紙を結ぶ紙製の紐

浄土真宗


浄土真宗には、死後すぐに”成仏”するという考え方があります。

そういった意味で香典には「御仏前」という言葉を記すのが正しいです。

その他の宗教

上記2つ以外は、どの宗教であっても香典は「御霊前」で問題ないでしょう。

 

葬直に参列するときのマナー

実際に直葬に参列するときの香典を渡すタイミングや適切な服装など、マナーを紹介します。

 

香典を渡すタイミング

直葬の場合は受付がないことも多く香典を渡すタイミングが難しいですが、直葬に呼ばれた際には簡単なお悔やみの言葉を添えてご遺族に直接渡せば問題ありません。

葬儀では哀悼の意を伝える意味で、できるだけ言葉は少ないほうがよいとされていますので、お悔やみの言葉は短めか、ほぼないくらいがよいです。

または、ご焼香の直前に祭壇に備えるのもよいでしょう。

 

適切な服装は?

直葬はほとんど家族のみで行うことが多いので、そこまで服装を気にする必要はありませんが、華美な服装を避け、故人を偲ぶにふさわしい黒っぽい服装が適切です。

必ずしも喪服である必要はありませんが、黒っぽいシンプルな服装を心がければ問題ありません。

 

喪主・遺族から見た直葬

直葬について馴染みのない人もいらっしゃると思います。

しかし上にも書きましたように、年々、直葬の割合は増えてきています。

葬儀全体の件数に対する直葬の割合は、関東地方で22%、近畿地方で11%、全国では16%という調査結果もあります。(出典:月刊「仏事」2015年2月号(鎌倉新書))

いざというときのために以下に簡単に直葬のポイントを整理しておきます。

直葬と家族葬との共通点、違い

直葬と家族葬は、ともに親族や親しい知人など少ない人数で執り行うという点が共通しています。

大きな違いは通夜(通夜式)や葬式(告別式)などの儀式を行うかどうかです。

家族葬は参加者が少ないだけで一般の葬式ですので通常は、これを2日かけて全て実施しますが、直葬では実施しません。

流れとしては、ご遺体を自宅や他の場所に安置してから直接、火葬場まで運んで火葬を行います。

今では全国の多くの葬儀社が家族葬とともに直葬のサービスも扱っていて、何か発生すれば電話で24時間、会社への依頼が可能です。

希望すれば担当者からプランの内容、利用や追加の料金の見積りなどを説明してもらえます。

直葬の流れ

直葬は、おおむね次のような流れで進みます。

1.臨終・お迎え

あらかじめ葬儀社を決めている場合は、ご臨終の後、葬儀社に連絡して寝台車で迎えに来てもらいます。

とくに決めている葬儀社がない場合は、病院で紹介されることがあります。

なお病院では死亡診断書を発行してもらいます。

2.安置

法律上、死後24時間以内にご遺体を火葬にすることはできませんので直葬でも安置が必要です。

葬儀社の寝台車で自宅、または葬儀社の安置施設など別の場所に搬送して安置します

3.納棺

ご遺体に仏衣を着せ、花などと一緒に棺へ納めます。そして故人とのお別れをします。

4.出棺

ご遺体を火葬場まで搬送します。

5.火葬

火葬炉の前で僧侶にお経を読んでいただいた後、火葬となります。

6.骨上げ

火葬後に2人1組で遺骨を骨壷に納めます。

直葬の費用相場

直葬は通夜や告別式を行わない分、一般の葬式に比べてかなり費用を抑えることができます。

日本消費者協会(「第11回 葬儀に関するアンケート調査報告書」 2017年)によると、飲食接待費や寺院の費用を含まない一般的な葬儀の費用は平均121万円です。

これに対して直葬はおよそ20~30万円程度となります。

なお葬儀社によって基本的な料金に含まれる物品やサービスが異なり、思わぬ追加料金が発生することもありますので注意が必要です。

あらかじめ葬儀社を決める際には、複数の葬儀社の資料を取り寄せたり話を聞いたりして比較、検討することをお勧めします。

お寺との関係

直葬は、いわゆる「葬式(告別式)」は行わない形式ですが、火葬場で僧侶にお経をあげていただく、お墓に入れていただく(納骨)など対応をお願いする必要があります。

本来は直葬を決定する前に、お寺と相談しておくことが大切です。

なお、お寺に渡すお布施については下の記事を参考にしてください。

直葬のメリット、デメリット

直葬は通夜、葬式などを省くため、それを理由に次の点がメリットになります。

  • 喪主にとって時間、手間、費用を大幅に節約できる。
  • 遺族は、当日の受付の担当など会葬される方々への対応がほとんど不要になり大変さから解放される。
  • 火葬まで多くの時間ができるので、遺族は落ち着いて故人を見送ることができる。
  • 参列者にとっても制約される時間が減り負担が少ない。
  • 事前に「香典不要」とすることも多く、その場合は喪主にとって、香典返しなどの雑事に煩わされることがなくなる。

一方、逆にデメリットもあります。

  • 通夜、お葬式を行わないことについて、身内の中でも様々な考えの人がいるので、あとでトラブルになることもある。
  • 直葬を選択する際に、お寺と事前に調整しておかないと事情によっては納骨できなくなる場合もある。
  • 生前に多少の付き合いがあった知人でも、参列できない場合は故人と最後のお別れをする機会がなくなる。別の日に弔問して、お悔やみを述べることになる。

直葬で香典を辞退するには

最近は香典辞退のお葬式が増えています。

参列される方々の負担を減らし、香典返しの手間も省くことができます。

香典を辞退する場合には、最初に関係する方々に日程を連絡する際に、併せて香典を辞退する旨を忘れずに伝えるようにします。

それでも香典を持参してしまう方もいますが、その場合も香典の受取りは固辞してください。

参列者によって対応を変えてしまうと後々トラブルにもなりますので必ず辞退するようにします。

直葬で香典を受け取ったら

香典を受け取ることにした場合は、現地に来られる参列者に対して受付で、香典と引き換えに即日返しを渡します。

即日返しはおおよその人数を予測してあらかじめ用意しておきます。

また四十九日には香典返しをします。

香典返しは直葬の際に直接現地に参列せず香典だけをいただいた方々にも渡します。

香典返しは頂いた香典の半額程度のものを返すのが一般的と言われています。

戒名、位牌について

戒名、位牌については次の記事を参考にしてください。

 

まとめ

今回は直葬の香典の金額と、香典袋の書き方、直葬の一般的な話をご紹介いたしました。

葬儀のしきたりや香典の金額は、非常にデリケートで気を使う問題ですよね。

親しい間柄の方達だけで行う直葬にいたっては、尚更だと思います。

直葬の場合は、香典を不要とする形が多いのも事実ですが、香典をもって参列することになった際は、是非参考にしてみてください。

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